大事な大切な人

••対峙


調査会社から連絡が来た。

❝ 里美 裕典 ❞
 
  あいつは、クズだ。


一度目は、姉が妊娠中

二度目が·····いま·····

なぜ一度目に離婚をしなかったのかと

 それは、藍華が話してくれた

   内容でわかった。

里美の両親のためだ。

あいつと違って里美の両親は、
初めから姉を可愛がってくれていた。

だが····許せない。

藍華に内容は話したくない。

どうしたものか····と思いながら

今日は、藍華と待ち合わせをしている。

その場所へ向かうと·····

藍華が見えた。
立ち止まり何かを見ている。
顔の向きに目をやると·······

あの 馬鹿男が
女と腕を組んで歩いていた。
顔を近づけて笑いあったり

俺は、藍華の肩に触れ
藍華がビクッとなるが
俺とわかると不安な顔をしながら
ホッとした素振りが見えた。

そのまま、藍華を通り過ぎて
あいつの肩を掴み
殴りつけた

きゃーっ、と隣の女
腕を組んでいたから
一緒に倒れた。

あいつは、
「いてぇな、このやろ!!
渚、大丈夫か?」
と、口を抑えて顔を上げながら言うやつに

「愛人の心配なんか
    してんじゃねぇよ!!」
と、俺が怒鳴ると、
はっとした顔で俺をみる。

俺の斜め後ろにいる藍華に
気づき、口を紡ぐ男に

「娘に見られてどう?
どんな気持ち?
なんとも思わないよね、あなたは。
だけど、ママを苦しめるのは
許せない。
汚らしい、二度と帰ってくるな。
あ〜、いらないわ、あんな家。」
と、言う藍華。

これ以上、藍華に傷ついて欲しくなくて
藍華を抱きしめ
「藍華?!あいか?!わかった。
  わかったから。
こんなやつの為にお前が
傷つかなくていい。」
と、言うと

藍華は、泣きながら

「だって、だって·····おじさんっ····

ママは、こんなやつの為に
我慢して我慢して。
クズだわ、こんなやつ。」
と、言う藍華の背中を擦りながら

「おい!!お前もあんたも、
きっちり
償いはしてもらうからな
覚悟しとけよ。」
と、二人に釘を指してから
その場を離れた。

その後····二人は
周りにいた見物人から

【 なに?なに?父親の浮気? 】
【 娘にみられた 】
【 気持ち悪〜い 】
【 馬鹿じゃない 】
【 いい年して 】
【 浮気するなら、バレないようやれよ】
【 最低 】
【 女も最低遊ばれてるのに 】

色々な言葉を投げかけられて
渚は、泣き出すし
イライラしながら
渚を立たせて、その場を離れた。

その状況を病院の事務長が見ていた
とは······
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