大事な大切な人

お母さんが寂しそうにしている。

「どうしたの?
    大丈夫?」
と、きいても

「大丈夫よ。
   どうして?」
と、言われる。


お母さんの同級生が
病院の医師にいるみたい。

そのドクターが
倒れているのを見つけて
病院へ運んだ お母さん。

退院してから復帰までの
面倒を見ることになったみたいで
相談があった。

私はなんでもできるし
心配ないからと伝えた。

毎日、楽しそうに出掛けて行く
母に笑いがでていた。
 
ずっと、夫の事である
父の事で苦しんできた
お母さん。

幸せになって欲しい。
あんな男しか居ない
と思って終わって欲しくない。

とても綺麗で優しくて
一生懸命なお母さんだから。

「最後の、日だから
美味しいもの食べさせてくるね。」
と、言って出たのに
直ぐに戻ってきた。

どうしたの?と
思っていたが
「疲れたから寝るね。」
と、言って自分の部屋へと
行ってしまった。

母が気になりながら
私は、学校へと向かった。
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