大事な大切な人
1️⃣8️⃣娘の想い
佐々木君にマンションまで送って貰い
お礼を言った。
「部屋に入るまでみてる。」
と、言う佐々木君に頷いた。
部屋に入るのは、見えないが
気持ちが嬉しかった。
裕典と付き合っているときは、
大事にしてもらっていたと思うが
もう、長いこと
女性として誰からも
扱ってもらってなかったから
佐々木君の行動や言葉が
照れくさいくて嬉しい。
だが····
また?同じことが?
ないとは、言い切れない。
佐々木君に限って····とは
思うが·······
私は自分の気持をもてあまし
藍華に相談した。
「お母さん。
そのスーパードクターが女性に
抱きつかれていて
悲しかったんだよね?
あの日から寂しそうにしていたのは、
それだったんだ。
それに女性として扱ってもらって
嬉しかった、と。
で、抱き締められて
力は入ったけど
吐き気や嫌悪感、ふるえはなかった。」
次々に藍華に言われて
真っ赤になり。
母親なのに·······
藍華は、私を見て
「それは、お母さんが
その同級生のスーパードクター
佐々木さんが好きだと
思っているって事だよね。」
と、言われて
えっ、そうなの?
友達?
とか、ブツブツ言っていると
藍華が笑いだして
私もつられて笑ってしまい
少しすると藍華が泣き出して
「私は、お母さんに幸せに
なってほしい。
あんなお父さんでお母さんの
人生を終わらせて欲しくない。
それは、おじいちゃんもおばちゃんも
光輝おじさんも一緒。
里見のおじいちゃん達も
お母さんの心配ばかりしているよ。
だから、お母さん。
幸せになってね。」
と、言ってくれた藍華に
「うん。頑張ってみるね。」
と、言ってから
「ずっと、みんなと連絡とってくれてたの?」
「本当に?ありがとう。」
藍華の気持ちが嬉しかった
本当に藍華は、大きくなって
私の方が甘えてる。
佐々木君には、
「本当に恋愛とかに
かなり遠ざかっていて
どうしてよいのかわからない。」
と、正直に話した。
藍華にも言われて。
佐々木君は
「ゆっくり行こう。」
と、言ってくれた。
まあ、佐々木君は
スーパードクターで忙しく
会うのも中々だけど
温かな、穏やかな日々が
進んで行く。