大事な大切な人
1️⃣9️⃣幸せになって欲しい

長い間
父と叔母の事を放置してきた。

母が亡くなってから
父と弟と三人で
頑張ってきた。

その時に
叔母が離婚の相談をしてきて
父のクリニックで事務として
働く事になった。

昔から優しくて
大好きな母の妹の杏叔母さんを
受け入れるのに
何ら問題はなかった。

叔母さんの離婚も
浮気とかではなく
生活の基盤の違いで
夫婦として一緒にいる意味が
ないのでは?と言う事だった。

多忙な父に代わり
小学校の入学式から
看護学校の卒業式まで
杏叔母さんが出席してくれた。

無論行事にも必ず
参加してくれた
私と光希の為に。

お父さんの幸せが大事
杏叔母さんの幸せが大事だから
良い人がいたら
幸せになって欲しいと
ずっと思ってきたし
二人にも、そう伝えて来た。

先日 佐々木君の話しから
藍華から話がでた。

「二人は強制しないとこのままだよ。」
って。
そんなふうに二人の事も考えて
くれる藍華が頼もしく思った。

で、光希とも話して
母の日【5月14日】と
父の日【6月18日】の
感謝の日を同じ日にして
二人にお祝いを渡す事にした。

五月の末の土曜日にした。

各々、贈り物を用意して
藍華と光輝と私からの
別の贈り物も用意して
その日を迎えた。

私達は、❛ 婚姻届 ❜を用意をした。

父の証人欄には
私の名前を記入して

杏叔母さんの証人欄には
光希の名前を記入して

藍華が渡す。

二人が、どんなリアクションを
取るのかまったく
わからない······

だが、二人の長い長い間に
できた絆を大切にして欲しいし
私達も大事にしたいから····

みんながそろって
食事を取り
感謝の気持ちのプレゼントを渡すと
父も杏叔母さんも喜んでくれた。

アルコールも多少入ってはいたが
最後に
「おじいちゃん。杏おばちゃん。
これは、私と光希叔父さんと
お母さんからです。」
と、言って藍華が封筒を渡した。

父も杏叔母さんも
封筒だったので
何に?って、お互いを見たり
私達を見たり····
キョロキョロ

父が
「ありがとう。」
と、受け取り···開く·····

父は、驚愕の顔をして
私達三人を見ながら
破顔して行き
何度も何度も頷いきながら
瞳には光るものが···

父は
杏叔母さんに用紙を見せ

「共に生きて頂けますか?」
と、伝えた。

杏叔母さんは、
一度 私達を見て
父を見て
「···こん···な····私···で 良ければ···」
と、答える杏叔母さんの頬には、
沢山の涙が······

私は、
「ごめんね。
もっと早く幸せに
なって欲しかったのに。
もう、私達は大丈夫だから
どうか、幸せになって下さい。」
と、伝えた。

父は、
「ありがとう。ありがとう。」
と、言いながら
杏叔母さんを抱きしめた。

二人は、私達の前で
自分達の名前を記入して
明日 提出すると言った。

本当に幸せになって欲しい

私達の大切で大事な
父と叔母に。

落ち着いてきた時に
藍華が爆弾を
「あのね?おじいちゃん。
お母さんから報告あるんだよ。」
と、ニヤけた顔をする。

もぅ、と思いながら
お付き合いをしている人が
いると。
と、伝えると

三人は、びっくりしていたが
「私が幸せになるなら。」
と、言ってくれた。
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