大事な大切な人
2️⃣5️⃣潰れそうな心
空港に着く。
陽右が本当に無事なのかと言う事と
どれだけ記憶がないのかと言う事への
不安でいっぱいだった。
だが、やはり陽右の顔を見なければ
安心できない。
到着ゲートから目が離せない。
“ 見えた ”
陽右にどんな風に連絡が
行っているのか
わからない。
きいてからくれば良かった
と、今になって······
そこまで頭が回って
なかった·······
ゲートから出て
回り見てる····
····目が······あった·····
片眉があがる
「ようっ、佐々木ドクター
と、声をかけると同時に
頭を抑えてフラリとする
陽右の腕の下に入り
椅子に座らせる。
やはり、来なければ
良かった。
「佐々木君?佐々木君?」
と、声をかける。
駄目だと思い
救急車をと思って携帯を出す
手が振るえて
もどかしい·······
そんな私の手に
手が重なり
「あの時······
お前の顔が浮かんだ。
あの妊婦を助けなければ
と、思った。」
と、言う陽右。
ホっとすると同時に涙が止まらなくなり
「すまん。心配かけたな。」
と、言う陽右に
首をふるのがせいいっぱいで
「記憶も問題無い。」
と、言われて
陽右をみると
顔色は悪いが優しい顔をして
私の涙を拭いてくれる。
陽右の様子を見ながら
陽右のお母様と師長に連絡する。
院長より
陽右をそのまま連れて帰って
ほしいと、言われ
もう少しだけ
休んでから移動した。
タクシーで帰宅して
陽右をベッドに横にさせる
やはり無理をしていたのだろう
寝息がきこえた。
心からほっとした。
思い出してくれて。
藍華にもラインをした。
藍華からもほっとしたと
ラインが、来ていた。