大事な大切な人
2️⃣6️⃣良かった

目を覚ますと
ベッドに頭を置いて眠る
侑華が見える。

空港で侑華を見た瞬間に
沢山の画像が頭の中に
押し寄せて来て
処理できなかった。

泣きそうな顔をしながら
どんな気持ちで
俺を待っていたのか

優しいこいつだから
必死で心と戦いながら
待っていてくれた筈だ。

かなり心配を
かけてしまった。

「侑華?」
と、声をかけると
バッと、頭を上げ
「ごめんなさい。
寝てしまった。」
と、言うから
「心配で昨夜寝てないんだろう?
すまん。」
と、言うと
頭を振りながら
「大丈夫。」
と、言う。

侑華がそばにいる間に
ベッドから起き上がり
座ってみる。

問題はなさそうだ。

「心配だから診察して欲しい。」
と、言われ
父親に連絡をして病院へと行く。

脳波の検査とMRを撮り
異常はなかった。

侑華はホっとしたのか
また、涙を流していた。

幸いに両親もいることから
俺は、両親へ向けて
「こんな時に悪い。
だが、こんな時だから あえて」
と、言い
「親父、母さん。
大林 侑華と共に生きて行きたい。
了承して欲しい。」
と、言うと
両親も侑華も
ポカンとした顔をしていたが

侑華は、みるみる内に真っ赤になり
親父は、苦笑い
母さんは、呆れ気味だったが
「命に関わる時に
やはり、一番に侑華と親に
連絡が行って欲しい。
逆でも、そうでありたい。
今回もかなり心配をかけてしまった。
俺は、いまからも
海外に行く。
俺を必要としてくれる患者が
いる限り。
助かる命を守りたい。」
と、言うと
「不束者でございますが
どうぞ、陽右さんと
一緒に生きて行く事を
お許し下さい。」
と、侑華も頭を下げた。

親父は、
「許すも許さないも
初めから反対する気もない。
それは、母さんも同じだ。
仲良くやりなさい。
大林さんのお父さんへの
挨拶は、一緒に行こう。」
と、言ってくれた。
母さんは、
「娘が出来たし
純子ちゃんと三人で
買い物やランチ楽しみ。」と。

ちなみに純子ちゃんとは、
産婦人科師長の
工藤 純子さんの事である。

陽右と私は、病院を後にして
ゆっくりとランチをして
陽右のマンションへと
戻った。
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