大事な大切な人

藍華が生まれて半年が過ぎた。

私は、まだ、里見家にいる。
その間、裕典は
まだか?まだか?と騒いでいた。

お義母さんから
「自分がやったことを考えたら
簡単に行かないことはわかるでしょ。」
と、何度も叱られていた。



一年後 ( 藍華・2才になる前 )
私は、意を決して
二人で暮らすアパートへと帰った。

里見の両親は、
いつまでも居て構わないと
言ってくれたが·····
いつまでも甘えていても
と、思い。

アパートの部屋の中は
騒然としていた。

元々 掃除や洗濯、料理が
得意ではない裕典

それでも、
裕典なりに必死に生活を
していたことがわかる。

鍋やフライパンに焦げた後が
あったり、洗濯物がくしゃくしゃ
だったりしていた。

少しおかしくなり
クスクスと笑ってしまった。

この家で
この二人が住むアパートで
笑えるなんて·····
不思議だった。

藍華は、知らない?お家に
キョロキョロ
歩き回る藍華の様子を見ながら
あちこちの窓を開けて
空気の入れ替えをする。

「ママっ?」
「はぁい。藍華。
お出かけしょうか?」
と、言うと
「はぁ~い。」

冷蔵庫の中を見て
藍華を連れて近くのスーパーに
何もかもが新鮮な藍華は
キョロキョロしていた。
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