怜悧な外科医の愛は、激甘につき。~でも私、あなたにフラれましたよね?~
そういえば、相良さんから両親の話は聞いたことがなかった。当たり前のように健在だと思っていたから母の言葉にショックを受けた。
「あまり詳しい話は知らないけど、母はいないんですって言ってたような……でも、いろんな家庭の事情があるじゃない? だからあまり立ち入ったこと聞けなくてねぇ、そのうちわかるわよ。頑張りなさい」
「うん」
話の流れで相良さんのお母様のことを知る日が来るかもしれない。それまで自分から尋ねるのはやめよう。それに相良さんのことでモヤモヤしていた気持ちも、母から背中を押されて全部吹っ切れた気がした。
ちゃんと“ほかの人とデートなんてしないで”って言おう。それから由美にも相良さんのこと話そう。
「ありがとう。相良さんのこと、お母さんに話してよかった。勇気出た!」
ゆったりと笑いかけると、母もホッとしたように頬を緩めた――。
相良さんは今、私と付き合ってるんですよね? それなら、ほかの女の人とデートなんて行かないでください!
相良さんは恋人がいても、彼女以外の人と構わずデートとかしちゃうんですか?
うーん、なんかどの言い方も威圧的というか……もっと柔らかい感じで言った方がいいよね?
相良さんは日帰りで学会に行っているから、彼の部屋で待っていれば今日中には帰って来る。今夜はここに来る必要のない日だったけれど、どうしても彼に会って話がしたかった。夕方、【話したいことがあるので、マンションで待ってます】とメールを打っておいた。その後、【わかった】と短い返信が来た。
やっぱりなんでもありません、なんてもう後戻りはできない。
「あまり詳しい話は知らないけど、母はいないんですって言ってたような……でも、いろんな家庭の事情があるじゃない? だからあまり立ち入ったこと聞けなくてねぇ、そのうちわかるわよ。頑張りなさい」
「うん」
話の流れで相良さんのお母様のことを知る日が来るかもしれない。それまで自分から尋ねるのはやめよう。それに相良さんのことでモヤモヤしていた気持ちも、母から背中を押されて全部吹っ切れた気がした。
ちゃんと“ほかの人とデートなんてしないで”って言おう。それから由美にも相良さんのこと話そう。
「ありがとう。相良さんのこと、お母さんに話してよかった。勇気出た!」
ゆったりと笑いかけると、母もホッとしたように頬を緩めた――。
相良さんは今、私と付き合ってるんですよね? それなら、ほかの女の人とデートなんて行かないでください!
相良さんは恋人がいても、彼女以外の人と構わずデートとかしちゃうんですか?
うーん、なんかどの言い方も威圧的というか……もっと柔らかい感じで言った方がいいよね?
相良さんは日帰りで学会に行っているから、彼の部屋で待っていれば今日中には帰って来る。今夜はここに来る必要のない日だったけれど、どうしても彼に会って話がしたかった。夕方、【話したいことがあるので、マンションで待ってます】とメールを打っておいた。その後、【わかった】と短い返信が来た。
やっぱりなんでもありません、なんてもう後戻りはできない。