怜悧な外科医の愛は、激甘につき。~でも私、あなたにフラれましたよね?~
時刻は二十一時。
先ほど、父の病院から東京に帰ってきた。それから一時間経つ。その間、私は相良さんのマンションでソワソワと落ち着きなく部屋の中を行ったり来たりして、彼に言う言葉をあれこれと考えていた。
相良さん、遅いな。
疲れてるときにこんな話、やっぱり日を改めた方が……。
ソファーに座ってため息をついたそのとき、ガチャッと玄関のドアが開く音がして、弾かれるようにピッと背筋を伸ばした。
「おかえりなさい」
「ああ、遅くなった。すまないな」
学会の場所は静岡と言っていた。日帰りと言ってもやはり疲れているのか、気だるそうにスーツのジャケットを脱いでソファーにかけるとネクタイを緩め始めた。
「何か飲みますか? コーヒーでも……」
「いい、それで? 話ってなんだ?」
何の前置きもなくすぐに本題に入る。ちゃんと言いたいことを考えていたけれど、笑顔のない相良さんの顔を見たら、その言葉もあやふやになってしまいそうだ。
先ほど、父の病院から東京に帰ってきた。それから一時間経つ。その間、私は相良さんのマンションでソワソワと落ち着きなく部屋の中を行ったり来たりして、彼に言う言葉をあれこれと考えていた。
相良さん、遅いな。
疲れてるときにこんな話、やっぱり日を改めた方が……。
ソファーに座ってため息をついたそのとき、ガチャッと玄関のドアが開く音がして、弾かれるようにピッと背筋を伸ばした。
「おかえりなさい」
「ああ、遅くなった。すまないな」
学会の場所は静岡と言っていた。日帰りと言ってもやはり疲れているのか、気だるそうにスーツのジャケットを脱いでソファーにかけるとネクタイを緩め始めた。
「何か飲みますか? コーヒーでも……」
「いい、それで? 話ってなんだ?」
何の前置きもなくすぐに本題に入る。ちゃんと言いたいことを考えていたけれど、笑顔のない相良さんの顔を見たら、その言葉もあやふやになってしまいそうだ。