怜悧な外科医の愛は、激甘につき。~でも私、あなたにフラれましたよね?~
つい考えに耽っていると、相良さんが私の肩に唇を落とした。先ほどまで熱を持て余していたというのに、なんだかお湯がぬるく感じる。

「もう一度温め直さなきゃだめだな。ベッドの上で」

「え? あっ」

愛し合った後の癖なのか、いつもこうしてまったりしているとき、相良さんは私の人差し指に口づけて軽く噛む。ちゅっ、と恥ずかしくなるような水音を立て、腰が砕けるくらいに甘く痺れてきてそれがまた中毒性がある。

「んっ……」

後ろから顎を捉えられて横を向かされると、余計な事を考えるな。と言わんばかりに深く口づけられた。彼の大きな手が胸を這うと、再びずくんと芯が疼きだす。

「好きだよ。真希」

鼓膜にトロリと囁かれれば、頭の中にちらついていた木内さんに対する個人的な心配事も気がかりも、すべて彼によって押し流されていった――。
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