怜悧な外科医の愛は、激甘につき。~でも私、あなたにフラれましたよね?~
ビクッと肩が跳ね、思わず手にしていたナイフを落としそうになった。声をかけてきた主は、スクラブではなく白衣姿の相良さんだった。
「持ち帰りでサンドイッチ頼む。時間がなくてゆっくりできないんだ」
「わかりました」
相良さんは私と付き合い始めてからというもの、週に三日のペースで食事に来るようになった。今日みたいに忙しいときはこうして持ち帰りでサンドイッチを頼んでいく。
「十分でできますから、ちょっと待っててください」
「あ、トマト入れんなよ?」
「もー、好き嫌いはだめですよ、うちはBLTサンドならありますけど、BLサンドはないんです」
相良さんは昔からトマトが苦手だ。夕食のサラダにわざと入れると顔を顰めながら渋々食べている。
ただの食わず嫌いみたいだからいつか克服させたいと思っているんだけどなぁ。
「ん? あの窓際に座ってる人は……」
そう言って相良さんが訝し気な顔をして木内さんの方をじっと見ている。木内さんは運ばれてきたラーメンやハンバーグ、スパゲッティなどを相変わらずドカ食いしていた。
「最近よく店に来るようになった常連さんです。もしかしてご存知の方ですか?」
「いや、けど、俺の見間違いじゃなければ確か糖尿病の教育プログラムに参加してる患者だ。今朝の入院検査でいたような……」
「えっ!?」
それを聞いてサンドイッチを容器に詰める手が止まる。
木内さんが? それがほんとなら大変じゃない!
「持ち帰りでサンドイッチ頼む。時間がなくてゆっくりできないんだ」
「わかりました」
相良さんは私と付き合い始めてからというもの、週に三日のペースで食事に来るようになった。今日みたいに忙しいときはこうして持ち帰りでサンドイッチを頼んでいく。
「十分でできますから、ちょっと待っててください」
「あ、トマト入れんなよ?」
「もー、好き嫌いはだめですよ、うちはBLTサンドならありますけど、BLサンドはないんです」
相良さんは昔からトマトが苦手だ。夕食のサラダにわざと入れると顔を顰めながら渋々食べている。
ただの食わず嫌いみたいだからいつか克服させたいと思っているんだけどなぁ。
「ん? あの窓際に座ってる人は……」
そう言って相良さんが訝し気な顔をして木内さんの方をじっと見ている。木内さんは運ばれてきたラーメンやハンバーグ、スパゲッティなどを相変わらずドカ食いしていた。
「最近よく店に来るようになった常連さんです。もしかしてご存知の方ですか?」
「いや、けど、俺の見間違いじゃなければ確か糖尿病の教育プログラムに参加してる患者だ。今朝の入院検査でいたような……」
「えっ!?」
それを聞いてサンドイッチを容器に詰める手が止まる。
木内さんが? それがほんとなら大変じゃない!