怜悧な外科医の愛は、激甘につき。~でも私、あなたにフラれましたよね?~
俯く私の頭を引き寄せてにそっと相良さんが額に優しくキスをした。

「あの患者の主治医は園部だ。心臓血管外科医の」

「え? 友梨佳先生ですか? じゃあ、なにか心臓に疾患があるとか?」

視線を跳ねあげてそう尋ねると、相良さんが少し困った顔をした。

「悪い、こっちから言っておいてなんだが、あんまり患者の個人情報をペラペラ喋るわけにはいかないんだ。けど、医者にかかるくらいの基礎疾患があるということは確かみたいだな」

おそらく、相良先生は木内さんの詳しい状態を知っているはずだ。けれど、個人情報と言われればそれ以上聞くことはできなかった。

「俺は少し自分の部屋で仕事があるから、先に風呂入って寝ててくれ」

「はい。おやすみなさい」

子どもを宥めるみたいにポンポンと頭を軽く叩くと、相良さんは自室へ入っていった。
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