怜悧な外科医の愛は、激甘につき。~でも私、あなたにフラれましたよね?~
「いえ、知り合いというか……うちの店の常連さんで」

「彼女はメルディーのシェフだ」

友梨佳先生との間に入って相良さんが口添えすると、“あなたに聞いてるんだからあなたがちゃんと最後まで答えなさいよ”という厳しい視線を向けられた。

クルクルと巻いた栗色の髪の毛を揺らし、白衣の下にはサーモンピンクのV字ネックニットを着て、ダイヤのネックレスが白い肌にキラリと光っていた。

「大丈夫か?」

相良さんが心配げに身をかがめて私の顔を覗き込む。こくんと頷くと、ホッとしたように息を吐いたのが分かる。

それから相良さんと木内さんの主治医である友梨佳先生はすぐにその場を後にした。
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