怜悧な外科医の愛は、激甘につき。~でも私、あなたにフラれましたよね?~
「相良さん? ……きゃ」

突然視界が反転し、勢いよくベッドに押し倒される。怒っているようなバツが悪そうなそんな感じが彼の表情から見て取れる。笑顔はない。

「あ、あの」

「顔見知りの患者だってわかってる。わかってるけど……」

「あ、んっ」

息をする隙も与えず噛みつくように口づけられる。すでに彼の呼吸は荒く、彼の熱を帯びた唇は首筋、そして胸元へと移動する。

「職場から離れれば、俺も医者である前にひとりの男になる。それをお前にわからせてやる」

「さ、相良さ……あっ」

強引にパジャマの前を開かれて素肌の胸が露わになる。外気に触れてひやりとした肌に熱い大きな手で膨らみをまさぐられ、徐々に互いの息がしっとりと甘いものに変わっていく。

「ひぁっ」

あっという間に一糸まとわぬ身体にされて、恥ずかしさで閉じていた目を薄っすら開くと、相良さんが煩わしそうに上着を脱ぎ捨てた。

「俺の目の前でほかの男のことなんか考えるな。それがたとえ患者であってもだ」

均衡のとれた逞しい裸体が視界に飛び込んできてカッと頬に熱を持ち、力ずくで奪われる感覚にゾクゾクと身体の芯が疼きだす。普段は冷静で凄腕の医師と言われている相良さんが持つ野性的で獰猛な一面を自分だけが知っていると思うと、胸が高鳴り鼓動が波打った。

「ほかの男の人のことなんて、あっ……私は、相良さんだけ、です」

熱でうかされ、うわごとを紡ぐ唇の隙間から熱い舌が滑り込んできて肩が跳ねる。肉厚な下が口内を暴れまわり、呼吸さえ吸い上げられそうになって咄嗟に相良さんの腕を掴む。

「ん、ぅ……」
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