怜悧な外科医の愛は、激甘につき。~でも私、あなたにフラれましたよね?~
「真希、そんな根も葉もない噂話よりも、相良先生のことを信じてあげなきゃ、恋人なんでしょ?」

〝恋人なんでしょ?〟

そう言われてハッとする。前も私が勝手に勘違いをして相良さんを疑ってしまった。そしてまた今回も噂に惑わされている。恋人だという自覚はあるものの、自信がなくて気持ちが揺れているんだと気づかされた。

「とにかく、二人がうまくいくことを祈ってるよ。ごめん、もう行かなきゃ」

「あ、うん、私こそ引き留めたりしてごめんね」

ニコリとして手を振る真美子を見送ったら、はぁと無意識にため息がこぼれた。

馬鹿だな、私……。

真美子の言葉を何度も自分に言い聞かせ、そして胸の中で広がっていたモヤモヤを吹き飛ばすと私はその場を後にした。
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