怜悧な外科医の愛は、激甘につき。~でも私、あなたにフラれましたよね?~
「そっか、難しい問題だね……」
由美はそう言ってビールの入ったグラスを片手にフライドポテトを口に放った。
仕事が終わり、私は駅前の居酒屋で久しぶりに由美と飲んでいた。仕事でうちの病院を出入りしている由美がたまたま今日の昼頃メルディーに来て、元気のない私を見るなり『飲みに行こうか』と誘ってくれた。
「ふふ、真希ってば相変わらず顔に出るタイプよね、何かあったのかなってすぐわかったわ」
「仕事中でもぼーっとしちゃって……こんなんじゃだめだね」
昨日は自分勝手なことを言って聖一さんを困らせてしまった。あれから彼とまだ顔を合わせてはいない。だからどんどん気持ちが沈んでしまい、また暗くなってしまいそうで私は無理に笑って見せた。
「それで、本当はどうしたいのよ?」
ひと通り私の話を聞き終えた由美がテーブルに両肘をつき、前のめりになって私の顔を覗き込む。きっとそう聞かれると思ってあらかじめ身構えていた私の喉が自然とゴクリと鳴った。
「お待たせしました。から揚げです」
口を開きかけた途端、店員が先ほど頼んだから揚げをテーブルに置く。目の前に熱々の美味しそうなから揚げが飛び込んできて、いつもなら「美味しそう!」となるはずが今はなんだか食指が動かない。
由美はそう言ってビールの入ったグラスを片手にフライドポテトを口に放った。
仕事が終わり、私は駅前の居酒屋で久しぶりに由美と飲んでいた。仕事でうちの病院を出入りしている由美がたまたま今日の昼頃メルディーに来て、元気のない私を見るなり『飲みに行こうか』と誘ってくれた。
「ふふ、真希ってば相変わらず顔に出るタイプよね、何かあったのかなってすぐわかったわ」
「仕事中でもぼーっとしちゃって……こんなんじゃだめだね」
昨日は自分勝手なことを言って聖一さんを困らせてしまった。あれから彼とまだ顔を合わせてはいない。だからどんどん気持ちが沈んでしまい、また暗くなってしまいそうで私は無理に笑って見せた。
「それで、本当はどうしたいのよ?」
ひと通り私の話を聞き終えた由美がテーブルに両肘をつき、前のめりになって私の顔を覗き込む。きっとそう聞かれると思ってあらかじめ身構えていた私の喉が自然とゴクリと鳴った。
「お待たせしました。から揚げです」
口を開きかけた途端、店員が先ほど頼んだから揚げをテーブルに置く。目の前に熱々の美味しそうなから揚げが飛び込んできて、いつもなら「美味しそう!」となるはずが今はなんだか食指が動かない。