怜悧な外科医の愛は、激甘につき。~でも私、あなたにフラれましたよね?~
「これ以上は話にならんな、今日のところは引き上げよう。しかし、勝手なことがいつまでも続くと思うなよ」
ドアの向こうでお父様がこちらへ向かってくる気配に私の心臓が一気に高鳴る。
このままだと鉢合わせに……。
そう思っている間にドアが勢いよく開かれた。
「あ……」
初めて会う聖一さんのお父様に息を呑む。白髪交じりの頭をガシガシと掻きながら出てきたその人は聖一さんと同じスラリとした長身だった。唇を真一文字に結び、深々と眉間に皺を寄せた表情は気難しそうな性格が表れていて、挨拶の言葉すら出てこなかった。
「真希、帰ってたのか」
ドアの向こうに私がいるなんて予想もしていなかったのだろう。聖一さんが一瞬驚いた顔をしてこちらを見る。
「真希? そうか、君が小野田真希さんだね?」
「は、はい。初めまして」
名前を確認する声音はやんわりとしていたものの、私を見下ろす目はゾクリとするほどひどく冷たかった。
「あ、あの――」
「私は君を認めた覚えはないよ」
〝聖一さんとお付き合いさせていただいています〟そう言おうと口を開いた瞬間、お父様が強い口調で私の言葉を両断した。
「親父!」
「君が聖一の恋人だということは聞いている。しかし、彼の医者としての将来を台無しにしてでも続けたい関係なのかな? どうかよく考えて欲しい」
咎める聖一さんを無視してお父様が私に言葉をぶつけてくる。
ドアの向こうでお父様がこちらへ向かってくる気配に私の心臓が一気に高鳴る。
このままだと鉢合わせに……。
そう思っている間にドアが勢いよく開かれた。
「あ……」
初めて会う聖一さんのお父様に息を呑む。白髪交じりの頭をガシガシと掻きながら出てきたその人は聖一さんと同じスラリとした長身だった。唇を真一文字に結び、深々と眉間に皺を寄せた表情は気難しそうな性格が表れていて、挨拶の言葉すら出てこなかった。
「真希、帰ってたのか」
ドアの向こうに私がいるなんて予想もしていなかったのだろう。聖一さんが一瞬驚いた顔をしてこちらを見る。
「真希? そうか、君が小野田真希さんだね?」
「は、はい。初めまして」
名前を確認する声音はやんわりとしていたものの、私を見下ろす目はゾクリとするほどひどく冷たかった。
「あ、あの――」
「私は君を認めた覚えはないよ」
〝聖一さんとお付き合いさせていただいています〟そう言おうと口を開いた瞬間、お父様が強い口調で私の言葉を両断した。
「親父!」
「君が聖一の恋人だということは聞いている。しかし、彼の医者としての将来を台無しにしてでも続けたい関係なのかな? どうかよく考えて欲しい」
咎める聖一さんを無視してお父様が私に言葉をぶつけてくる。