怜悧な外科医の愛は、激甘につき。~でも私、あなたにフラれましたよね?~
第八章 立ちはだかる壁
聖一さんがアメリカ行きを決めてから数日後。
今、私は人生でこれ以上ないくらい緊張で胸が押しつぶされそうになっていた。なぜならアメリカへ発つ前に結婚を認めてもらうべく、彼と一緒に聖一さんの実家へ向かっているからだ。
緊張するなぁ。
昨夜は寝る前に色々挨拶の言葉を考えていてなかなか寝付けなかった。極度の緊張からか眠気を感じることもなく高鳴り続ける心臓を押さえるのに精いっぱいだった。
「本来、先に妻になる人の両親に挨拶に行くものだと思うが……すまないな、気を使わせて」
プロポーズをされた翌日、私は早々に母に電話を入れた。『聖一さんと結婚する』と突然言われて母もびっくりしていたけれど、声を震わせながら喜んでくれた。
「いいんです。両親の所へは東京から遠いし、それにもう渡米まであまり日がないじゃないですか」
「そうだな」
聖一さんがマラフィン総合病院の院長に連絡を入れてから、とんとん拍子に来週の渡米が決まった。近々現地でシンポジウムが開催されるらしく、先方から是非参加して欲しいと言われて彼もその期待に応えるべく了承した。
今、私は人生でこれ以上ないくらい緊張で胸が押しつぶされそうになっていた。なぜならアメリカへ発つ前に結婚を認めてもらうべく、彼と一緒に聖一さんの実家へ向かっているからだ。
緊張するなぁ。
昨夜は寝る前に色々挨拶の言葉を考えていてなかなか寝付けなかった。極度の緊張からか眠気を感じることもなく高鳴り続ける心臓を押さえるのに精いっぱいだった。
「本来、先に妻になる人の両親に挨拶に行くものだと思うが……すまないな、気を使わせて」
プロポーズをされた翌日、私は早々に母に電話を入れた。『聖一さんと結婚する』と突然言われて母もびっくりしていたけれど、声を震わせながら喜んでくれた。
「いいんです。両親の所へは東京から遠いし、それにもう渡米まであまり日がないじゃないですか」
「そうだな」
聖一さんがマラフィン総合病院の院長に連絡を入れてから、とんとん拍子に来週の渡米が決まった。近々現地でシンポジウムが開催されるらしく、先方から是非参加して欲しいと言われて彼もその期待に応えるべく了承した。