怜悧な外科医の愛は、激甘につき。~でも私、あなたにフラれましたよね?~
先日、初めて会ったときは終始険しい表情だった。でも今は厳格な雰囲気というより少し気持ちに余裕がある笑顔が見受けられる。
「失礼します」
ソファに腰かけ聖一さんが私の隣に続く。家政婦さんが淹れたての紅茶を静かにテーブルに置き、ホッと息をつくと向かいに座るお父様と目が合った。
「まずは先日の無礼な私の発言を謝罪しなければな。あのときは大変失礼をした。聖一ち言い合いになってしまって、私も頭に血が上っていたんだ」
「い、いえ、そんな……」
「聖一から話は聞いたよ。アメリカへ行くため、君が聖一を説得してくれたと」
ああ、そういうことか。お父様がずっと機嫌がよさそうなのは聖一さんがアメリカへ行くと決めたことを知ったからだと、私は自分に向けられる笑顔の理由を悟った。
まだ私のことを許してもらったわけじゃないのはわかってるんだけどね。
本題はこれからよ。
人知れず膝の上で拳をギュッと握る。でも焦って失敗したら元も子もない。とにかく落ち着こうと、家政婦さんが持ってきてくれた紅茶をひとくち飲んだ。するとお父様のほうが先に口を開く。
「失礼します」
ソファに腰かけ聖一さんが私の隣に続く。家政婦さんが淹れたての紅茶を静かにテーブルに置き、ホッと息をつくと向かいに座るお父様と目が合った。
「まずは先日の無礼な私の発言を謝罪しなければな。あのときは大変失礼をした。聖一ち言い合いになってしまって、私も頭に血が上っていたんだ」
「い、いえ、そんな……」
「聖一から話は聞いたよ。アメリカへ行くため、君が聖一を説得してくれたと」
ああ、そういうことか。お父様がずっと機嫌がよさそうなのは聖一さんがアメリカへ行くと決めたことを知ったからだと、私は自分に向けられる笑顔の理由を悟った。
まだ私のことを許してもらったわけじゃないのはわかってるんだけどね。
本題はこれからよ。
人知れず膝の上で拳をギュッと握る。でも焦って失敗したら元も子もない。とにかく落ち着こうと、家政婦さんが持ってきてくれた紅茶をひとくち飲んだ。するとお父様のほうが先に口を開く。