怜悧な外科医の愛は、激甘につき。~でも私、あなたにフラれましたよね?~
「あちらの病院の医療技術はすばらしいものがある。聖一、医者としてひとまわりもふたまわりも成長して帰ってこい、後は――」

「相良総合病院へ入職して欲しい。そうだろ?」

お父様と考え方の相違で実家の病院へ入るのを避けていたのに、その意外な返事にお父様が目を丸くする。

「わかってるよ、それが親父の本望なんだろ?」

「あんなに入職を拒否していたお前が、何もなしに了承するとは思えん。条件でもっつけるつもりか?」

短く息を吐いてお父様がフッと笑う。

「話が早くて助かるよ」

え、条件? ま、まさか……。

「アメリカへ行くこと自体は問題ない。むしろ俺も期待しているくらいだ。けど実家を継ぐことに関しては話が別だ」

「ほぅ、それでその条件とは?」
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