怜悧な外科医の愛は、激甘につき。～でも私、あなたにフラれましたよね？～

「気持ちだけは変わりません……ねぇ」

私をじっと見据えるその目は時に鋭く光り、時に柔らかさを見せる聖一さんの目にそっくりだ。お父様はしばらく考え込む仕草を見せ、それからはぁと長いため気をついた。

「わかった。そこまで言うなら結婚を許そう」

「え……」

思ってもみなかった言葉に、うっかり短い声が漏れた。

結婚、許してくれるって、本当に？　

じわじわと喜びが沸き起こってきて勢いよく聖一さんに身体を向ける。けれど彼の顔に笑顔がない。特に驚いた様子もなくただお父様をまっすぐ見ていた。そんな様子を見てハッと気づく。

あんなに大反対されていた結婚をそう簡単に許してくれるはずがないよね。なにか裏があるに違いない。