怜悧な外科医の愛は、激甘につき。~でも私、あなたにフラれましたよね?~
話したことでその意味が明らかになるなら、そのほうがいいのかもしれない。

私はギュッと布団を握りしめ、ゆっくりと口を開いた。

「……聖一さんがアメリカに行っている三年間、彼と会わないこと、仕事先を変えること、そして住む場所も変えることを約束しました。そうすれば結婚を認めてくれると」

それを聞いた友梨佳先生が一瞬目を丸くし、はぁと肩を下げた。

「あなた、それを信じて真に受けたの?」

「え?」

「当たり障りなく別れさせようとしてるって、気づかなかったわけ?」

聖一さんと会わないようにするのは、私の気持ちを試すためだとばかり思っていたけれど、彼女が言うようにその裏で予想だにしないような狡猾な計画が隠されていたのかもしれない。そう思うと雷に打たれたような衝撃が走る。

「お人好しもほどほどにしないと、こういう目に遭うのよ」
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