怜悧な外科医の愛は、激甘につき。~でも私、あなたにフラれましたよね?~
それから私は聖一さんと一緒に住んでいたマンションへ戻った。けれど。

「真希、大丈夫か、あまり無理するなよ」

「はい、少ししたら落ち着くと思うので」

後日、さっそく渡米する準備を始めようとしていた矢先、私は落ち着いていたつわりの波に再び悩まされることになった。
いけない、もうこんな時間、早く夕食作らなきゃ。

ようやくムカムカが治まりトイレから解放される。つわりでトイレに拘束されるとあっという間に時間が経ってしまう。

「すみません、お待たせしました」

ふぅと息を突きながらリビングへ行くと、聖一さんが神妙な面持ちでソファに座っていた。

「真希、話があるんだ」

話……? なんだろう?

いい話なのか悪い話なのかまったく見当もつかない。胸をドキつかせながら聖一さんの横へ腰を下ろす。

「アメリカ行きの件だが……安定期に入るまで延期しようと思っている」
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