怜悧な外科医の愛は、激甘につき。~でも私、あなたにフラれましたよね?~
「最後までしないからセックスじゃないというのは安易だな、俺とお前はプラトニックなところまで繋がってるんだ」

「プラトニック……」

ピンとこないような私の表情がおかしかったのか、聖一さんは小さく笑って掠めるようなキスをした。

バスルームを出ると、もうこれから夕食の準備をする体力もなくてとにかくベッドに横になりたかった。互いにまだ裸のままだけど、寄り添って私の肩を抱く聖一さんの身体は温かくてずっと包み込まれていたくなる。

「真希、親父のこと……最後まで信じてくれてありがとうな。母親が亡くなった裏で、親父がずっと苦しんでいたこと、俺は気づいてやれなかった」

長年、聖一さんとお父様の間には隔たりがあった。その壁が突然崩れ、彼も戸惑っているのだろう。

「お父様もきっと話せてよかったと思いますよ、少しでも過去の苦しみが消えてくれればいいんですけど」

「まぁ、あれでも結構タフな親父だからな、大丈夫だろ」
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