怜悧な外科医の愛は、激甘につき。~でも私、あなたにフラれましたよね?~
――あ、あの! 付き合ってもらえなくてもいいです。でも、せめて私のファーストキス、もらってくれませんか? お願いしますっ!
相良さんにフラれたときの記憶がフラッシュバックする。後からなんであんなこと言っちゃったんだろう、と激しく後悔したくせに、いきなりファーストキスを奪われて言葉が出ないくらいに狼狽える。
あのとき、決死の覚悟でキスをねだった私を相良さんは胸に引き寄せ、何も言わず私に唇を重ねようとした。
――震えてるじゃないか、怖いんだろ?
――初めてのものを中途半端に投げ出すようなことするな。
そう言って、結局相良さんはキスをすることなく私の頭に手を載せていつもの笑顔で微笑んだ。だけど、身じろぎひとつすれば今にも重なりそうな唇の距離は今でも鮮明に覚えていて、今、相良さんにキスをされた瞬間すべてが呼び覚まされた。
「今まで付き合った人もいないのに……好きでもない人とキスなんかしません。中途半端に投げ出すようなことするなって言ったの、相良さんじゃないですか」
今まで告白されて付き合って欲しいと言ってくれた人は何人かいた。けれど、その度に相良さんのことが思い出されてその気になれなかった。
全部相良さんのせいだ。
相良さんにフラれたときの記憶がフラッシュバックする。後からなんであんなこと言っちゃったんだろう、と激しく後悔したくせに、いきなりファーストキスを奪われて言葉が出ないくらいに狼狽える。
あのとき、決死の覚悟でキスをねだった私を相良さんは胸に引き寄せ、何も言わず私に唇を重ねようとした。
――震えてるじゃないか、怖いんだろ?
――初めてのものを中途半端に投げ出すようなことするな。
そう言って、結局相良さんはキスをすることなく私の頭に手を載せていつもの笑顔で微笑んだ。だけど、身じろぎひとつすれば今にも重なりそうな唇の距離は今でも鮮明に覚えていて、今、相良さんにキスをされた瞬間すべてが呼び覚まされた。
「今まで付き合った人もいないのに……好きでもない人とキスなんかしません。中途半端に投げ出すようなことするなって言ったの、相良さんじゃないですか」
今まで告白されて付き合って欲しいと言ってくれた人は何人かいた。けれど、その度に相良さんのことが思い出されてその気になれなかった。
全部相良さんのせいだ。