怜悧な外科医の愛は、激甘につき。~でも私、あなたにフラれましたよね?~
それが私の初恋の人、相良聖一さんとの出会いだった。
よほどうちの料理が口に合ったらしく、多いときで週に三日も店に通ってくれた。『ガキっ子』『おっちょこちょい娘』とか言ってきたりして、ちょっぴり口が悪いところはあるけれど、背が高くて笑顔も声音も優しくて、おまけに頭もいい。徐々に距離が近くなってくると、遊園地やスポーツ観戦に連れて行ってくれたり、一人っ子で勉強嫌いだった私に家庭教師まで買って出てくれた。
『聖ちゃん、聖ちゃん』と子どもみたいに引っついて回って、そしていつの頃からだったか、彼の隣にいるだけで呼吸が苦しくて妙にドキドキと動悸を感じるようになった。まさかおかしな病気にでも侵されたんじゃ……なんて本気で思ったけれど、それが“恋”だと気づくのには、さして時間はかからなかった。
高校生になる頃には、優しい医大生のお兄ちゃんではなく、ひとりの男性として意識していた。そして、ちょうど今くらいの季節だった十七歳の秋、初めての告白にして初めての失恋を経験した。
よほどうちの料理が口に合ったらしく、多いときで週に三日も店に通ってくれた。『ガキっ子』『おっちょこちょい娘』とか言ってきたりして、ちょっぴり口が悪いところはあるけれど、背が高くて笑顔も声音も優しくて、おまけに頭もいい。徐々に距離が近くなってくると、遊園地やスポーツ観戦に連れて行ってくれたり、一人っ子で勉強嫌いだった私に家庭教師まで買って出てくれた。
『聖ちゃん、聖ちゃん』と子どもみたいに引っついて回って、そしていつの頃からだったか、彼の隣にいるだけで呼吸が苦しくて妙にドキドキと動悸を感じるようになった。まさかおかしな病気にでも侵されたんじゃ……なんて本気で思ったけれど、それが“恋”だと気づくのには、さして時間はかからなかった。
高校生になる頃には、優しい医大生のお兄ちゃんではなく、ひとりの男性として意識していた。そして、ちょうど今くらいの季節だった十七歳の秋、初めての告白にして初めての失恋を経験した。