怜悧な外科医の愛は、激甘につき。~でも私、あなたにフラれましたよね?~
由美に“相良さんお気に入り宣言”をされて数日後、厨房で洗剤の補充をしていると再び由美がメルディーに現れた。
「真希、元気? お疲れ」
「あ、由美、来てたんだ」
仕事で来たのか、彼女はパリッとスーツを着こなして、手には大量の資料を抱えていた。見るからにキャリアウーマンといった感じで凛々しい。
「今日はね、これから相良先生と田原先生と一緒にここで打ち合わせなんだ」
相良さんに会えることが嬉しいと言っているような笑顔に複雑な気持ちを覚える。
そして、しばらくしてから相良さんと彼が担当している研修医の田原健吾さんが来た。
田原さんは相良さんの大学の後輩で、背も高くて相良さんと一緒に歩いているとなんとも絵になる二人だった。色白で身体の線が細くキリッとした眼鏡がほんの少し神経質そうに見えるけれど、真面目で何事にも一生懸命で相良さんがいつも「田原はレジデント時代だったときの俺とよく似てる。だから扱いやすい」と言っていた。田原さんは相良さんのことを学生の頃から慕っているようで、よく二人でいるのを見かける。まだまだ学生気分の抜けきらないところがあるようで、相良さんには精神的にも鍛えられているらしい。
あ、声かけそびれちゃったな。
一瞬、チラッと私の方を向いて目が合った気がしたけれど、相良さんはそのまま奥の席に着いた。隣に田原さんが座ると、その向かいに由美がニコニコ顔で腰を下ろした。
仕事しよう! 仕事!
三人でなんだか和気藹々と会話が弾んでいる。その光景からパッと視線を外すと同時に注文が入り、私は彼らがメルディーを後にするまで自分の仕事に没頭することにした――。
「真希、元気? お疲れ」
「あ、由美、来てたんだ」
仕事で来たのか、彼女はパリッとスーツを着こなして、手には大量の資料を抱えていた。見るからにキャリアウーマンといった感じで凛々しい。
「今日はね、これから相良先生と田原先生と一緒にここで打ち合わせなんだ」
相良さんに会えることが嬉しいと言っているような笑顔に複雑な気持ちを覚える。
そして、しばらくしてから相良さんと彼が担当している研修医の田原健吾さんが来た。
田原さんは相良さんの大学の後輩で、背も高くて相良さんと一緒に歩いているとなんとも絵になる二人だった。色白で身体の線が細くキリッとした眼鏡がほんの少し神経質そうに見えるけれど、真面目で何事にも一生懸命で相良さんがいつも「田原はレジデント時代だったときの俺とよく似てる。だから扱いやすい」と言っていた。田原さんは相良さんのことを学生の頃から慕っているようで、よく二人でいるのを見かける。まだまだ学生気分の抜けきらないところがあるようで、相良さんには精神的にも鍛えられているらしい。
あ、声かけそびれちゃったな。
一瞬、チラッと私の方を向いて目が合った気がしたけれど、相良さんはそのまま奥の席に着いた。隣に田原さんが座ると、その向かいに由美がニコニコ顔で腰を下ろした。
仕事しよう! 仕事!
三人でなんだか和気藹々と会話が弾んでいる。その光景からパッと視線を外すと同時に注文が入り、私は彼らがメルディーを後にするまで自分の仕事に没頭することにした――。