怜悧な外科医の愛は、激甘につき。～でも私、あなたにフラれましたよね？～

私は相良さんに食事を作りに来ているだけで一緒には食べない。お腹いっぱいになったらそれで満足して帰りたくなくなってしまうからだ。

「今日はミーティングルームじゃなくてメルディーで打ち合わせだったんですね」

「ああ、ＭＲの秋山さん……だっけ？　彼女の提案でコーヒーでも飲みながら話しましょうってなってさ、まぁ、そのほうがこっちも息抜きできるしな」

相良さん、由美からデートに誘われたのかな？

たぶん、今日一日なんとなく落ち着かなかったのは、そのことが気になっていたからだ。

「お前も一緒に食べれば？」

「え、ええ……そうですね」

「なんだ、さっきからぼーっとして」

そんなつもりはなかったけれど、心ここにあらずだってことがバレてしまった。なんでもお見通しで彼の前では隠し事なんかできない。

「いえ、別に……」

「あのな、お前の嘘はすぐにわかる。顔に出るからな」

うぅ、やっぱり鋭い！

顔に出やすいのは自覚してるけど……。