怜悧な外科医の愛は、激甘につき。~でも私、あなたにフラれましたよね?~

第四章 瀬戸先生

あぁ、昨日の私……いくらなんでも感じ悪すぎだったよね。

『まぁ、誘って来たなら行くと思うぞ? そんなこと気にしてたのか?』

相良さんのあの言葉を聞いて以来、私はおかしい。相良さんと由美のことを考えると、なんだかヤキモキするのだ。
これって嫉妬……だよね?

今まで知らなかった感情に翻弄され、初めて抱くこの感覚に戸惑いさえ覚える。

好きになんてならなければ、こんな思いしなくて済むのに。

今日は仕事が休みで私は父に面会するため千田記念病院へ向かっていた。相良さんも日帰りで学会だし、今夜は彼のマンションへ行く必要がない。

好きな人なのに会わずにすむ。そんな矛盾に小さくため息をつきながら、父の病院へ向かうバスの中でぼーっと窓の外を眺めた。
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