世話焼き教師は、天邪鬼ちゃんを離さない


一気に先生への好感度が急上昇したとき、サラッととんでもないことを言われた。



『もちろん僕も、その中のうちの1人です。村上さんのこと、もう大好きですから』



『…っえ?』



聞き間違いかと思った。



もしそう言っていたとしても、生徒に対する「好き」なんだと。



『…って、あれ?え、今僕なんて言って…』



聞き流そうとしたら、口元を抑えて慌てながらそんなことを言うものだから。



誰が見ても真っ赤だった私の頬の熱が、頂点に達ししていた。



先生はそれを見て口に出していたことを再確認してしまったらしく───



『…もう、バレちゃったなら仕方ないか』



ぽつり、そうこぼした先生は私をまっすぐ見つめた。

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