世話焼き教師は、天邪鬼ちゃんを離さない

「…っ」



捨てられた子犬のように目をうるうるさせる先生。



私がそういう顔に弱いのを知っててやってるから、なおのことずるい。



「…そうだ。明日、紹介したい子がいるから会ってみない?」



なにか思い出したように言う先生に、怪訝な表情を浮かべる私。



「…それ、女子?」



「うん。隣のクラスの子なんだけど、いい子だよ。なずなとも合うと思う」



たしかに男子を紹介されるよりマシだけど、先生に好かれたくていい顔をする女子なんてざらにいる。



100パーセント信用できるかと言われたら、少し疑ってしまうのも無理はないだろう。



「大丈夫。絶対好きになるよ」


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