世話焼き教師は、天邪鬼ちゃんを離さない

ヤキモチ。



さっきの自分の言葉がそれに当てはまって、すとんと落ちた。



先生のことを好きにならないとか言ってるくせに、ヤキモチだけは一丁前に焼くとか…。



自分自身に呆れて言葉も出ない。



「僕が可愛いと思うのも、愛おしいと思うのも、全部なずなだけだよ。だから、安心して?」



「〜っ!不安になんて思ってないから…っ!自意識過剰じゃないの…っ?」



「ふっ、うん…そっか。そういうことにしとこうか」



「…っもう黙って!」



この数学準備室は、2人だけの秘密の場所。



誰も簡単に入ってくることの無い、私たちだけの空間。



…もうちょっとだけ、先生を独り占めしてもいいよね?
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