世話焼き教師は、天邪鬼ちゃんを離さない
『村上なずな 17歳 高校1年生』
それが私のプロフィール。
高校に入って半年が経ち、周りはもう仲の良いグループができて固まっている頃。
そのどこにも属していないのが私。
別に友達が欲しくないとか、1人が好きだとかそんなんじゃない。
普通に話せるくらいの友達は欲しいし、1人が好きなんてとんでもない。
ただ………
「お待たせ…って、どうした?」
色んなことを考えていると、この部屋のドアが開いて彼が入ってきた。
自然と俯いてしまっていたため、心配するようにそばに寄ってくる。
「な、なんでもない」
咄嗟に嘘をつくけど、この男にはそれが一切通用しない。