世話焼き教師は、天邪鬼ちゃんを離さない
やっぱり満面の笑みを浮かべてそう言うから、素直すぎて恥ずかしくなってくる。
「い、今さら何言ってるの。わ、私こそ…っていうか…」
それでも、まだ素直に言うのは難しい。
言葉がつっかかって、ごにょごにょしてしまう。
「…あ、ありがと」
ようやく絞り出せた感謝の言葉は、とても小さくて、聞き取れるのがやっとなくらい。
「ふふっ、うん!」
でも、それを拾い上げてくれる存在がどれほど大切なのか。
今日一日で、身にしみて感じた日だった。