世話焼き教師は、天邪鬼ちゃんを離さない


やっぱり満面の笑みを浮かべてそう言うから、素直すぎて恥ずかしくなってくる。



「い、今さら何言ってるの。わ、私こそ…っていうか…」



それでも、まだ素直に言うのは難しい。



言葉がつっかかって、ごにょごにょしてしまう。



「…あ、ありがと」



ようやく絞り出せた感謝の言葉は、とても小さくて、聞き取れるのがやっとなくらい。



「ふふっ、うん!」



でも、それを拾い上げてくれる存在がどれほど大切なのか。



今日一日で、身にしみて感じた日だった。

< 24 / 100 >

この作品をシェア

pagetop