世話焼き教師は、天邪鬼ちゃんを離さない
先生とお忍びデート
金木犀の花言葉
ある日の休日。
私は、駅前広場で人を待っていた。
…服、変じゃない?
メイクも崩れてない…よね?
いつもより気合いの入った服装をした自分がショーウィンドウに映る。
…さすがにやりすぎかもしれない。
今後悔しても後の祭りだ。
でも、ちゃんと帽子と伊達メガネしてきたし大丈夫なはず。
…っていうか、遅くない?もう待ち合わせ時間10分過ぎてるんだけど。
「…っごめん!」
少しイライラし始めていたとき、遠くからでもわかる顔立ちがいい男性がこちらに走ってくるのが確認できた。
…っ、ほんとにずるい。
今日待ち合わせた人。
それは────
「遅刻ですね、先生」
「ほんとにごめん…家の鍵かけ忘れてて、焦って戻っちゃった…」