世話焼き教師は、天邪鬼ちゃんを離さない

季節の花をモチーフにしたヘアゴムや、動物とパールをあしらったヘアピンなど、どれも細かく繊細な作りをしていて、とても真似できそうにない。



可愛いのに大人っぽいものから遊び心のあるデザインまで、様々な商品が並んでいた。



「…これ、買ってくる」



本当は全部買いたいくらいだけど…さすがにそれは無理。



一番惹かれたヘアピンを持ってレジに向かおうとすると、またもや止められた。



「僕が買うよ。今日一日付き合ってくれたお礼」



「い、いいよ…!私が買う」



先生を押し切って進もうとしたら、道を塞がれる始末。



私には、お礼を言われる筋合いなんてない。
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