世話焼き教師は、天邪鬼ちゃんを離さない
付き合ってくれた、なんて言ってるけど…ここにきたいと言ったのは私だ。
クレープだって奢ってもらったのに。
「それに、このヘアピンなずなに凄く似合ってる。プレゼントさせて?」
「ぅ…そこまでいうなら……」
もう、何も言えない。
「うん、じゃあレジに行こうか」
「………」
まだ腑に落ちないけど、今度こそ自分で払おう。
心にそう決めてレジに行くと、お店の人が誰もいなかった。
「すみません、どなたかいらっしゃいませんか?」
先生がそう声をかけると、レジ裏から僅かに声が聞こえた。
少し聞いた感じは、やはり女の人っぽい。