世話焼き教師は、天邪鬼ちゃんを離さない
すくっと立ち上がって、先生を見据える。
言ってやらなきゃ。
全部嘘だったじゃん、って。
先生なんて……先生なんて…っ、
「っ、泥棒なんて大嫌いっ…!!」
「なずな…!?」
そう叫んだ私は、一目散に逃げ出した。
目からは溢れんばかりの涙が流れて止まらない。
私、何言ってるんだろう…?
「泥棒なんて大嫌い」?
こんなの、先生に言ったって伝わりやしないのに。
私が言いたかったのは「嘘つきは泥棒の始まり」で、だから泥棒の先生は嫌いだってことなのに。
何一つわかってもらえないことを言って、急に勝手に帰って…。