世話焼き教師は、天邪鬼ちゃんを離さない
だから誰ともつるまず、いつも一人で行動していたのに。
『村上さん、ちょっといい?』
学校で1番人気とも言われている彼、八汐統和先生が声をかけてきた。
私の担任だったから、なのかもしれない。
老若男女問わずに好かれるであろう容姿は、女子たちを一瞬で虜にさせていた。
いつも穏やかで優しく笑っている物腰の柔らかさと包容力は、大人の男性としてパーフェクトとしか言いようがないくらいで。
だから尚更、私みたいな生徒を放っておけないんだと思った。
それから連れてこられたのが、普段人が立ち入らない数学準備室で。
『村上さんは、優しいよね』
『は……?』