世話焼き教師は、天邪鬼ちゃんを離さない

なのに…僕は花咲音に「好き」と言ったことがあっただろうか。



『統和くんは…私のこと、本当に好き…?』



いつものように、放課後近場の公園で話していたとき。



瞳を揺らしながら、僕を真っ直ぐに見つめる花咲音の表情は今でも覚えてる。



不安な気持ちがそのまま顔に出たような、そんな顔。



それは、他でもない僕がさせているんだと、事の重大さにようやく気がついた。



12月の中旬だった。



付き合いだして半年以上経っていて、もうすぐクリスマスがやってくる。



そんな時期に、そんな質問をされた。



『私ね、学校にいるとき、デートしてるとき、こうして話しているときも…私はいつだって統和くんしか頭にないの』
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