世話焼き教師は、天邪鬼ちゃんを離さない
担任には何にでもなれると言われ、親には決まった未来を要求される。
他にやりたいこともなかったし、特に何も思わなかったのに。
花咲音の一言が、僕の人生を変えたと言っても過言ではないくらい響いた。
「僕は僕が知っていることしか教えられないし、実際出来なかった。それに、人の気持ちに疎い僕が教師になんて…って最初は思ったけどね」
「…じゃあ、なんで…」
「…花咲音のことがあって、からかな。僕が知らない“人の気持ちを察する”っていうことを、教師という職業を通してわかるようになりたい。そう感じたんだ」