世話焼き教師は、天邪鬼ちゃんを離さない

もちろん、全てをわかってあげることなんてことは難しいし、そう簡単に出来ることじゃない。



それが出来たら、人間同士のいざこざなんてものはありはしないのだから。



…それでも。



「少しでも楽しい学校生活を送れる手助けをできるのなら、人との関わりの大事さとかを誰かに伝えられるのなら…。一緒に学びながら成長出来たらいいな、なんて思ってさ」



「…そこまで考えてたのね」



「うん」



たしかに、花咲音に言われたことは僕を大きく変えた。



その事実に変わりはない。



だけど、たったその一言で決めたわけじゃなくて、僕は僕なりに自分の将来を見据えた。

< 65 / 100 >

この作品をシェア

pagetop