世話焼き教師は、天邪鬼ちゃんを離さない
もちろん、全てをわかってあげることなんてことは難しいし、そう簡単に出来ることじゃない。
それが出来たら、人間同士のいざこざなんてものはありはしないのだから。
…それでも。
「少しでも楽しい学校生活を送れる手助けをできるのなら、人との関わりの大事さとかを誰かに伝えられるのなら…。一緒に学びながら成長出来たらいいな、なんて思ってさ」
「…そこまで考えてたのね」
「うん」
たしかに、花咲音に言われたことは僕を大きく変えた。
その事実に変わりはない。
だけど、たったその一言で決めたわけじゃなくて、僕は僕なりに自分の将来を見据えた。