世話焼き教師は、天邪鬼ちゃんを離さない

やっと口を開いたかと思えば、くだらないことを話す先生。



「…何か問題でも?」



「ううん。なずなっぽくて、まじまじ見ちゃうなぁって思って」



「っ…」



もう、無視しよう。



“可愛いもの”がいっぱいの部屋が私に合うとか、どんな口説き文句なの?



昨日後悔したばかりなのに、どうしても可愛い言葉のひとつも言えない。



やっぱりこんなんじゃ、先生だって…。



勝手に落ち込みかけていた時、視界が真っ暗になった。



「っ!な、何す…」



「好きだよ、なずな」



「っ…!!」



とびきり甘い声が耳元で響く。



私を抱きしめる腕が、体が、熱い。

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