もうお揃いだなんて言えないや。


       ◇彼女Side◇


土砂降りの雨の中、一人駅まで歩く私。

履き古したスニーカーは簡単に雨水の侵入を許し、あっという間に靴下、そして足までをも濡らした。


「最後まで言えなかったな」

色、形、デザイン。

どこをとっても、全く私好みじゃないこのスニーカー。

それを私は最後まで彼に言えずにいた。








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