気づいたらそこは沼だった
「うっま。これうま。もう一個食っていい?」

あっという間にペロリと完食し、4つ買ってきてあったので、あと残り2個ある中の1個を返事を聞く前に取り出してるツバサは果てしなく可愛い。

「食べていいよ。あと1個も好きなタイミングで食べてね?」

「え?アイリ食わんの?」

「私は1個で十分だよ?」

「じゃあ夜ご飯のデザートで食お」

2個目もあっという間に完食し、

「うまかったー」

っていうツバサは子供ですか?

「クリーム口の端に付いてるよ?」

「ん?どこ?とって?」

「えっと…鏡はないの?」

「ない。洗面所。ティッシュはそこ。」

とティッシュを指さされても…

「ご自分で拭かれてみては?」

「ん、見れないから無理」

って口を差し出されても…。

「ツバサって本当人たらしだよね…」

「ストレートな悪口?」

「いや…褒め言葉です?」

「ふーん、とりあえず取って?」

これはもう取るまで終わらないのかもしれない。仕方ない。意を決してティッシュを取り

「じゃあ拭き取りますね」

ササッとついてるクリームを拭き取った。お陰でこちらの体温は耳から指先まで一気に急上昇。指先が触れたらバレるんじゃないか?と思うほどに。

「ありがとう。今日は何してたん?」

ご自身はプリン2個食べあげ、拭いてもらって御満悦なのか、急に話題が変わった。

「掃除かな?ご馳走様でした」

「ふーん、掃除好きなん?」

「あれ?そう言えばツバサは掃除とかどうしてるの?いつも撮影とかで忙しくて掃除出来る時間あるの?」

「俺はしない。周りのヤツがやってる」

あーそっか。ツバサレベルになるとやってくれる人が居ないと出来ないか。
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