気づいたらそこは沼だった
「ところで相談なんやけど」

急に改まってどうしたんだろう。

「家の更新って次いつなん?」

「ん?家の更新?確か…3ヶ月後かな?」

「一緒に住まへん?」

はい!?えーっと…今なんて???

「今付き合って半年ぐらいやんか。それでもやっと来月2日休みがあるぐらいで基本はやっぱ仕事で…別に今までみたいでもええけど、やっぱ距離がある分そこまで頻繁にアイリん家行けへんし。かと言って週末来てくれるけど俺基本居らへんやん。ならいっそのことこっち引っ越して来てくれた方が今までよりは一緒におれるで?勿論引っ越し代はこっちが持つし、3ヶ月なら梱包作業も出来るやんか」

「ツバサは一緒に住みたいの?」

「やから言っとるやろ」

「そんなの住まない?って聞かれてもツバサの気持ちが優先なのか私の返事次第で決まるのか分からないよ」

全然一緒に住むのはいいけどね?むしろそう言ってくれて嬉しいし。住みたいし。うん、住みたいし。だけどここはちょっと意地悪してみる。どうせ負けちゃうだろうけど。

「ごちゃごちゃ言わずお前は3ヶ月後からここに住め」

グッとほっぺを掴まれ

「ほい」

と間抜けな返事しか出来なかった。そして案の定やっぱり負けた。

「でも職場から遠くなるんやない?」

「そんな事ないよ?距離的には今の家からもここからもそんな変わらないよ?」

「ふーん、なら3ヶ月後引っ越してこいよ」

ツンデレで天然だけど今日も相変わらず俺様なツバサが世界で1番愛おしい。その俺様発言は照れ隠しから出てくる言葉で、そしてそれにまんまと従っちゃう私。そんなことを思いながら同棲か…と思うと思わずにやけちゃう。そうするとツバサは決まって

「お前ほんまおもろいな」

って言いながら頭を撫でてくれるんだ。
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