可愛がってあげたい、強がりなきみを。 〜国民的イケメン俳優に出会った直後から全身全霊で溺愛されてます〜
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翌日の夜、入籍届の件もあり、亮介さんを招いて食事をごちそうすることになった。
亮介さんは大きな花束を抱えて、約束の時間にやってきた。
「郁美さん、どうぞ。引っ越しアンド結婚祝い」
「わー、ありがとう。嬉しい」
淡いグリーンの薔薇をメインに数種類の白い花をまとめた、とてもセンスの良いブーケだった。
「なんか、いちいちやることが気障だな、お前は」
「兄貴が、気が利かないだけだって」
「まったく。口の減らない奴」
仲がいいのにすぐ言い合いになるふたり。
何度も同じ場面に遭遇していたわたしには、じゃれあっているようにしか見えないけど。
わたしは「早く中に入って。お腹すいたでしょう」とふたりを促した。