可愛がってあげたい、強がりなきみを。 〜国民的イケメン俳優に出会った直後から全身全霊で溺愛されてます〜
 なんだかんだ言って、彼は宗介さんのこと、大好きなんだろう。
 一人っ子のわたしには、そんなふたりの関係が、ちょっと羨ましい。

 レジデンス棟の出口から表に出ると、寒風が吹きつけてきて、思わず身をすくめた。
「寒いっすね」と亮介さんもコートの襟を立てた。

 店舗のある建物まで歩いていく途中の並木道は、幻想的にライトアップされている。

 こうして並んで歩いていると、宗介さんが隣にいるんじゃないかと錯覚してしまう。

 背の高さや体形が、とてもよく似ているから。

 違うのは、声と髪型と、笑ったときの顔ぐらい。

 コンビニの前まで来ると「じゃあ。届けを出したら、また連絡します」

「うん、わかった。お休みなさい。気をつけてね」
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