可愛がってあげたい、強がりなきみを。 〜国民的イケメン俳優に出会った直後から全身全霊で溺愛されてます〜
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コンビニで買った明日の朝食用のヨーグルトを冷蔵庫に入れ、手を洗ってからリビングに行くと、宗介さんは、リビングでウイスキーのグラスを傾けていた。
「郁美」
「うん?」
わたしが隣に座ると、彼はグラスをテーブルに置き、わたしの左手を取った。
そして薬指を優しく撫で、ばつの悪そうな顔で言った。
「うかつだったな……指輪、用意していなくて」
「宗介さん……あ、宗介」
わたしがそう言い直すと、彼はすこしだけ表情を緩めた。
亮介さんの前ではあんなに強がっていたのに、内心では、気にしてくれていたんだ、指輪のこと。
もう、宗介さんのこういうところ、本当に子供みたい。
でもなんて愛すべき人なんだろう。
彼を愛おしく思う気持ちが次から次から溢れてくる。
わたしは彼の首に手を回して、抱きついた。
「指輪なんて本当にいらない。宗介がいてくれれば、それで充分」
彼もわたしの背に手を回して、抱きすくめた。