可愛がってあげたい、強がりなきみを。 〜国民的イケメン俳優に出会った直後から全身全霊で溺愛されてます〜
 はじめて愛を交わしたキングサイズのベッドにわたしを横たえると、彼はすぐに覆いかぶさってきた。

 そして、息がかかるほど唇を寄せてくる。
 でも、なかなか唇に触れてこない。

 もうすでに情欲に火をつけられているわたしは、懇願するように彼を見上げる。

 彼は目を細めて訊いた。
「どうして欲しい?」

 もう、羞恥のたがが外れていたわたしは、ためらうことも忘れて、うわ言のように呟いた。

「いっぱい気持ちよくして……何も考えられなくなるぐらい」

 わたしの言葉に彼の瞳が妖しく光った。

「ああ、いくらでも気持ちよくしてやる」

 彼はわたしの名を何度もつぶやきながら、額に頬に口づける。
 その首を引き寄せ、わたしは、さらに深い口づけをねだった。

 そして……
 夜が更けるまで、わたしたちは濃密で甘美な快楽の海に溺れつづけた。
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